ゴッホ人気衰え知らず
大阪から東京、愛知へと巡回する「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」。先日、大阪市立美術館まで行ってきました!暑かった・・・。この夏はきついですね。。。
大阪会場は、7月5日にスタートして8月9日に来場者10万人を突破。8月末までどのくらいの数字になるのかな~と考えたり、ゴッホってやはり人気なんだなと改めて感じています。

私が行ったのは7月の終わりの土曜日。東海エリアからひのとりに乗って気持ちよく大阪入り。混んでるだろうなと思いながら会場へ着くと、思った通りかなりの人で賑わっておりました。ゴッホの引き寄せ力!伝説の画家の力は今でも生き続けているのです。。
この「ゴッホ展」について
まずは、全体の感想。
簡潔に言って今回の展覧会は、何度か見ているゴッホの展覧会とは少し印象が違いました。今回は作品を単に観るのではなくて、家族というフィルターを通して作品を鑑賞する。家族の気持ちを受け取る、そんな印象を持った展覧会でした。
皆さんも知っての通りゴッホは37歳の若さでこの世を去りました。作品は理解されずほぼ売れなかったことは有名な話。しかし、ゴッホは、画家仲間とは知り合いも多く、作品の交換もたびたびおこなっていたことが今回の展示でも明らかになっています。そして、一番の理解者は弟テオ。
テオの支援なくしてゴッホは「ひまわり」や「夜のカフェテラス」をはじめとする多くの名作を残すことはできなかったと私は思っています。それからテオは何とか兄の作品を世に出したいと奔走していましたが、フィンセントの死後、半年ほどで病気で亡くなってしまいます。その意思を継いだのが、今回の展示の主人公ともいえる妻のヨー。
残されたテオの妻ヨーと息子ウィレムが人生をかけてフィンセント・ファン・ゴッホの作品を世に広めたストーリーを受け取る展示です。

(展示会場の作品撮影は禁止でしたが、イマーシブコーナーだけ撮影できたのでその画像です。)
会場の構成
・1章ファンゴッホ家のコレクションからファンゴッホ美術館へ
・2章フィンセントとテオ、ファン・ゴッホ兄弟のコレクション
この2章では、浮世絵コレクションから広重、豊国などが展示され目を引いていました。
・3章フィンセント・ファン・ゴッホの絵画と素描

会場では作品撮影ができませんので、購入したポストカードで。この3章で私が好きになった作品がありまして、ポストカード画像の一番右《アブサンが置かれたカフェテーブル》(1872年2-3月、パリ)。柔らかい印象を感じます。ゴッホの作品というと私は荒々しい筆使いに、気持ちを込めまくった(情熱的ともいいますね)絵画という印象があるんですけれど、それとは少し違う一面を見せてくれた1枚ということで好きになりました。
技法としては、油絵の具を、とても薄めて使用するパンチュール・ア・レランスを採用しています。フィンセントは、アブサンも飲みまくってほとんどアルコール中毒だったと自分で手紙に書いています。
フィンセントは、1886年2月にテオを頼ってパリに移って、ちょうど2年後1888年2月に南仏アルルに向かいます。この2年間でゴーガンやロートレック、エミール・ベルナール、ポール・シニャックなどと知り合いになったようです。
特にシニャックとは仲が良くてゴッホが耳切り事件を起こした時もお見舞いに訪れています。アブサンのこの作品もそういう仲間からの影響を受けたのかな?と想像していました。
・4章ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲルが売却した作品
この章での見どころは「テオ・ファン・ゴッホとヨーファン・ゴッホ=ボンゲルの会計簿」です。誰にいくらで作品を売却したかを記してあります。当時の貨幣価値がわかればもっとよかったなと思いました。
・5章コレクションの充実 作品収集
このパートでは、ゴッホ作品とシニャック、ボナール、ピサロ、ロートレックなどゴッホ美術館としてコレクションの充実を図った作品が展示。
私が感じた、これがメインの作品

(こちらの画像、会場の最後イマーシブコーナーでの映像を撮ったものです。ここだけ撮影可能。)ポスターや図録の表紙にはゴッホの自画像が使われていますが、私なりに今回のメインとなる作品は《花咲くアーモンドの木の枝》(上記の画像)なのかなと感じました。この絵がテオとヨーの息子であるウィレム誕生のお祝いとして贈られたものだからです。
「家族がつなげた画家の夢」というテーマにぴったりだと思いませんか?
フィンセントは孤独であったように思われることが多いと思います。本人も時にはそのように感じていたかもしれません。しかしながら、彼には愛する弟テオ、その妻ヨー、そして甥にあたるウィレムがいました。
その家族がいなければ作品は散在し、伝説の画家ゴッホという存在もなかったかもしれない。
そういう意味では私は、この展覧会の思惑に見事にハマった鑑賞者の一人だったのかなと思った次第です。
グッズを少しばかり紹介

展覧会図録です。3300円だったかな?テキストが多いですし、最後にフィンセントとヨーの年表が付いていて時系列がわかりやすいです。

こちら小学館の図鑑NEOアートのゴッホバージョン。元の図鑑は子供向けでありながら大人が結構購入しましたよね。私もその一人です。こちらは会場限定だったと思います。20ページほどの冊子ですが読み応えあり。ゴッホ初心者だけでなくベテランの方にもおすすめ。

「この真夜中のゴッホ」シリーズ人気でした。これは付箋ですが他にはノートなどもありました。

これは最近よく展覧会場にあるガチャポン。実際の作品も展示されていました。狙っていたものとは違うものが出てきましたけど、まあいっか。400円だったし。
巡回予定
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」の今後の予定です。
・東京展:東京都美術館9月12日から12月21日
・愛知県:愛知県美術館2026年1月3日から3月23日となっています。
ゴッホについては、「大ゴッホ展」も9月から第1期が神戸市立博物館で始まりますから、これからしばらくはゴッホの作品を観に行かれる方は、大変多いことでしょう。
最後まで読んでくださりありがとうございました。