成功への階段を駆け上がっていくバンド

最強バンドの最高の映画

住んでいる地域では、公開終了ギリギリで「レッド・ツェッペリン ビカミング」を観ることができました。残念ながらIMAXの上映ではなかったのですが、ジミー・ペイジ、ロバート・プラント、ジョン・ポール・ジョーンズの証言、そしてジョン・ボーナムが残した貴重なインタビュー音声と現代の技術で補正された結成当時の迫力あるライブサウンドを堪能できました。

映画を観る前はバンドとしての記録映像が少ないこと、メンバーの一人がすでに亡くなっているということというふたつの懸念があったので、実際どのような作品となるのか、やや心配な面もありました。が、「観てとてもよかった！一瞬一瞬、目の離せないドキュメンタリー映画だった」という感想でした。

もちろん中身すべてがよかったわけではなく、既出のライブ映像が大半だったことは、少し残念ですけれど、バンドが成功をつかみ取るまでをメンバーが話すということが基本ラインなので,そこまで気にならなったかな。インタビューメインでよかったと思っています。

加えて既出がほとんどとはいえライブ場面はデジタル技術で鮮明によみがえり音も爆音で楽しめたのはこれまでにない経験といえるのではと思っています。

あと故ジョン・ボーナムの貴重なインタビュー音声が思った以上に多かったのが高ポイント！ボンゾの優しい声と語りから人柄の良さを感じました。これがメインなのかもなぁとも感じました。

ボンゾのインタビュー音声を聞くメンバーたちの古い友人と再会を喜んでいるよう優しい笑顔（プラントは付き合いが長かったから余計にそうでしょうね。ちょっと涙ぐんでいたし）がとてもよかった。これをみるとねやっぱり本当に意味での再結成、つまり継続的なという意味での再結成はしなくてよかったなと確信しました。ファンとしてはボンゾの息子を入れてツアーに出てもらいたかったとの気持ちもありましたが、この映画の彼らの笑顔を見るとなくてよかったと確信を持てました。

後半ボンゾの音声だったと思いますが、ペイジが曲のアイデア作ってきて、それをみんなで話しながら曲を作っていくんだということを語っていて、なるほどほんとに４人の協働作業だったんだと理解できると余計にそう思ったことも記しておきます。

いったいZPPELINのなにが好きなんだろう

ペイジのリフ？プラントのボーカル？

私はLED ZEPPELIN好き歴４０年ほどです。何がそこまで好きなのか？よく言われるのがペイジの天才的なリフ。確かに自分もギターを弾くのでそれも理由の一つ。プラントのボーカルも大好き。ボンゾのドラムも音が大好き。ジョーンズのメロトロンがめちゃくちゃ好き。なんていくつかの理由を挙げることはできますけれど、もっとなにかあるのではなかろうかと映画を思い返してみました。

マジックってことに気がつきました。

メンバー４人は、ペイジとジョーンズは売れっ子スタジオ・ミュージシャン、一方でプラントとボンゾは実力は申し分ないけれどきっかけを掴めていないミュージシャン。対照的なふた組が初めて皆で「train kept a rollin’」を演奏したとき全員が「これはいける」と感じたとインタビューで言っていました。これは明らかに４人の才能が反応、共鳴したマジック。

またライブでは、レコードとは違ってほぼ毎回演奏に４人でなくてはできない変化をつけていたことはファンならよく知るところ。（これもペイジだったかがインタビューで言及）これもマジック。

映画はセカンドアルバムでチャートの頂点をつかみ、爆発的な売り揚げを記録し、そして人気が急上昇していったところで終わっています。この成功は運ではなく、超過密なスケジュールでアメリカなどへライブツアーを行っなことがもたらした結果であって、彼らの力の限りを尽くしたライブ表現のマジックに人々が熱狂。そして英国への凱旋。

映画はこのタイミングまでだったけれど、その後のZEPのアルバムで展開された音楽性の幅広さは、まさに彼ら４人でしか成し得なかったマジックと言えましょう。

４人が持つ力が反応しあうことで起こったマジックこそが自分が４０年もZEP好きでいる理由なんじゃないかと感じたのです。それはこの４人でなければ起こせなかったのだろうなと感じました。

これが映画「レッド・ツェッペリン：ビギニング」を鑑賞した感想であり考えです。

最後まで読んでくださりありがとうございました。